2015年11月13日金曜日

『3-4X10月』と小沼勝

北野武の『3-4X10月』(1990年)を見る。草野球のチームをつくっているような街の兄ちゃんの一人(柳ユーレイ、この映画では小野昌彦という名前でクレジットされる)が、やくざとちょっとしたいさかいを起こしてしまい、以前その組におり、いまはスナックのマスターをしている男(ガタルカナル・タカ、この映画では本名の井口薫仁の名でクレジットされている)が取りなしてくれようとするのだが、逆に袋叩きにあう。街の兄ちゃんとその仲間の一人(ダンカン、飯塚実という本名でクレジットされている)は拳銃を手に入れようと沖縄に渡るが、そこには組の厄介者として屑扱いされているビートたけしと渡嘉敷勝男の兄弟分がいて・・・柳ユーレイが、ぼーっとしているように見えるが、実は短気でなにをするかわからない人物を好演していて、また、途中で姿を消してしまうがガダルカナル・タカがなんともいえぬ色気があり、沖縄ではデビューしたての豊川悦司が組長を演じ、砂浜での野球は、『ソナチネ』での無為で幸福な時間を準備しているのだから、冒頭と結末をつなぎ合わせて夢落ちと解釈してしまうのはかえってつまらぬことで、便所に屈んであれだけ鮮明なことを見られるのなら、見者だとする方がよほど正確だろう。

朝テレビを見ていたら、柄本佑が出ていて、小沼勝がロマンポルノ以外の映画を撮っていたことをはじめて知った。機会があれば見てみたいが、近くにレンタル店はなし、そもそもレンタルに出ているかどうか。『NAGISA』だったろうか、アマゾンの中古でやけに高い値段が付いているが。

0 件のコメント:

コメントを投稿