2015年11月3日火曜日

『三人旅』と『汚れた血』

柳家小さん(立川談志の師匠であった方の)『三人旅』をCDで聞き、『万金丹』の途中でうとうとする。名人の話を聞いていると、とろとろとよいここちになるというからそういうことにしておく。

レオス・カラックスの『汚れた血』(1986年)を見る。初公開のときには劇場で見た。AIDSを連想させる愛のないセックスによって蔓延するウィルスの支配する近未来が舞台で、その特効薬を盗み出そうという話なのだが、こうした舞台設定は物語の本筋とほとんど関係がない。初めて見たときにも感じたことだが、非常にすぐれた監督であることはわかるが、その恋愛至上主義には鼻白む。エリック・ロメールのように意地の悪い感じが出ているとまた違うのだが、ここまでひたむきだと辟易する。せっかくの設定なのだから、ロメロの『クレージーズ』のようになってくれないと、といってはほとんど言いがかりのようなものだが。



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