私は落梧は音だけで十分だと思っており、DVDとCDがあったらCDを聞く方を断然選ぶが、安藤鶴夫の「七代目・可楽」(『寄席の人びと』所収)での可楽が『妾馬』を演じるところを読むと、無性に可楽の高座姿が見たくなった。この文章はとにかく愛情にあふれていて、不遇でもあれば幸せでもあった可楽の姿がとにかく泣かせる。可楽を聞いたのは立川談志が選んだ『夢の寄席』でだけなので、こんなに可楽に愛情を注いだ安藤鶴夫の悪口ばかり言うもんじゃないじゃないか、と思うが、ボタンの掛け違い、今更なにを・・・ということもあろうから、二人とも死んでしまった現在なにを言うこともないことだが。
0 件のコメント:
コメントを投稿