§58.このことから、我々はある推測を引き出せる。もし単称判断がより事実に近く、それを去ることで、実際に実在から遠ざかっているにしても、少なくとも、科学ではそうしたことは感じられない。我々を力づけてくれるもう一つの推測がある。通常の生活において、ある一つの事例から別の事例に移っても同じような態度で臨む傾向があることは我々の皆が経験することである。我々はあるときと場所において真であるものをどんなときと場所でも常に真であるととる。一つの例から一般化するのである。この傾向を根絶することのできない非哲学的精神の悪徳として遺憾に思うこともできるし、あらゆる経験に不可避の条件であり、あらゆる推論の
必要条件(第二巻を見よ)として認めることもできる。しかし、認めるにしろ遺憾に思うにしろ、その過程をより強いものからより弱いものへ、より実在に近いものから遠いものへ向かう
試みだとは感じられない。だが、疑いなく、それは個的なものから普遍的、仮言的なものへの移行である。
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