電気石板ノート
2014年10月7日火曜日
幸田露伴『評釈冬の日』初雪の巻33
袂より硯を開き山陰に 芭蕉
一句も、前句とのかかりも明らかで注を必要としない。連歌師など風雅に心を寄せて修行して歩くものが、よい景色の地に興を感じて、藤の実に伝う雫を硯に受けた。山陰はやまかげであるが、山陰という文字はまた景色のいいところをいうこともある。
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