2014年10月4日土曜日

ブラッドリー『論理学』80

 §56.かくして、抽象的判断はすべて仮言的であることがわかったが、それとの関連において、仮定とはなにかを示し、あらゆる仮言的判断にある実在についての隠された主張をあらわなものとするよう努めてみよう。既に議論した単称判断は、分析的なものだろうと総合的なものだろうと、一見したところ定言的に思われることはわかった。それらは単に実在に隠された性質を当て、それが非実在的な関係においてあらわになる、というのではなく、判断にあらわれる実際の内容によって実在を性質づけるのである。それは単なるつながりではなく、存在すると宣言されている要素そのものである。

 我々にはまだ、もう一つの種類の判断が残っているが(§7)、先へ進む前に、我々が得た結論について考えておいたほうがいいだろう。恐らくその結論は修正が必要だろうし、単称判断をカテゴリーに関するものとして位置づけることは維持され得ないだろう。

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