奉加めす御堂に黄金打荷ひ 重五
奉加めすは奉加金めすということで、縁あるものに書状を廻し、仏像建立などの金を募ることである。御堂は本願寺御堂などのたぐいで、大きな寺の堂である。そこへ納金する千両箱、村々の各人の金高名簿など、大きな足つきの白木の台に乗せ、油籠をかけた釣り台で多くの人が担い込むなかには、何百何十村の世話頭とされ、役僧に丁寧に挨拶され導かれるものもあり、白い髪、皺のよった額、朝夕お経の読誦に余念なく、信心堅固、報恩謝徳の行いが人にも知られた福々しい老人もいる。前句の「さても七十」はこの人の年齢であろう。
0 件のコメント:
コメントを投稿