2014年9月17日水曜日

幸田露伴『評釈冬の日』初雪の巻24

寝覚め/\のさても七十 杜國

 碁を打っていたふたりのうちにひとりが、寝覚めがちな床のなかで、ああ自分も老いてしまった、寝覚め寝覚めの夜々が積もっていまは七十、さすがに昼間は頑健なことを誇って、太公望や范増などを気取っていたが、と秘かに切なく感じるさまを描いている。句づくりは平易で、その情にふさわしい。

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