原作:乾緑郎
脚本:黒沢清、田中幸子
撮影:芦澤明子
音楽:羽岡佳
出演:佐藤健、綾瀬はるか、中谷美紀
センシングという技術が発達し、他人の意識のなかに入っていくことができる。一年前に自殺未遂を起こした結果、昏睡状態が続いている恋人の漫画家(綾瀬はるか)の意識のなかに佐藤健が入っていく。しかし、なかなかうまくコミュニケーションをとって、昏睡から目覚めさせることができない。
彼女は首長竜の絵のことが気になっているらしい。子供のころ書いた絵だ。男は二人がともに幼いころ過ごした(男はリゾート開発のために移り住んだ父親に連れられてきたが、数年後にはまた引っ越してしまう)島に行って二人の秘密の場所だったところでスケッチブックを見つけるが、年月を経たせいか首長竜の姿は見る影もなくなっている。
やがて、漫画家である彼女の意識に彼が入り込んでいたと思っていたのが、彼が漫画家で、事故のせいで昏睡している彼の意識に彼女が入り込んでいることが明らかになる。さらに、彼が昏睡から目覚めないのは、島にいたときのトラウマ的経験があったためだった。
理に落ちたところがらしくない。首長竜がでてくるのもばかばかしさが足りない。ざらつくような、埋まらない視差にぎょっとするようなリアルさをだした黒澤映画は数多くあるのに、よりによってもっともリアルでないものにリアルという題をつけるとは。
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