2013年11月22日金曜日

フィリップK・ディック『タイタンのゲーム・プレーヤー』



 タイタンとの戦いで地球は敗れた。地球人は特権階級と一般人とに分かたれ、長生きで死ぬことはないが、極端に低い出生率となっていた。特権階級に属するものたちは、モノポリーと人生ゲームとダウトを合わせたようなゲームで、実際の土地をやりとりしている。

 あるとき、ピーター・ガーデンは有名なゲーム・プレイヤーであるラックマンにお気に入りの土地を奪われてしまう。彼はゲームによって土地を取り戻そうとするが、ラックマンが殺されていることが発見される。しかもその時間、ピーター・ガーデン以下ゲーム仲間たちの記憶が消え去られている。

 やがてタイタン人の間にも内部抗争があることがわかり、地球人のなかにも彼らは紛れこみ、誰が敵だか味方だかわからないような状態のなかで、しかもタイタン人が予知能力やサイコキネスなどの超能力を使用できるという人間の圧倒的な不利のなかで地球とタイタンをかけたゲームが行われる。

 1963年の作品で、もっとも多産な時期のひとつであったから、上々の部分ともうちょっと構想を練ってくれたらという部分があるのも当然のことで、後半はよく言えば「センス・オブ・ワンダー」に満ちているが、発想にとどまっている部分もある。

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