2013年11月18日月曜日

ジョセフ・コシンスキー『オブリビオン』

2013年。
脚本:カール・ガイダシェク、マイケル・デブライン
撮影:クラウディア・ミランダ

 異星人との戦いにより、月が破壊され、世界は放射線に汚染され、大部分の人類は地球外に移住しているとされる。そうした荒廃した世界に残って男女一組(トム・クルーズとアンドレア・ランズブロー)が、記憶を消去され、無人機のメンテナンスやパトロールなどを続けていた。

 そうした任務に携わりながらも、トム・クルーズは断片的な記憶のがよみがえってくるのを感じていた。それは不快なものではなく、愛するものとともにあるという感覚を伴っている。あるとき、宇宙船が墜落し、そのなかには彼の記憶に出てくる女性が乗っていた。また、宇宙人だと思って敵対していたものが、実は地球人の生き残りであることがわかる。

 彼らの言葉と蘇った自分の記憶をつなぎ合わせてみると、地球を監視していた二人は実は宇宙飛行士であり、捕らえられたあげく、大量にクローンを作られ、他ならぬ自分たちが地球を破滅させたのだと知る。

 トム・クルーズは、結局、敵本体のなかに入り込み、自爆することで地球を救う。異星人が機械のようなものなのか、あるいはそれを操縦するものが別にいるのかどうかは最後まで明らかにならない。

 愛するものの記憶に悩まされるという点では『惑星ソラリス』のようでもあり、ディザスター後の世界を描いてもいるし、戦闘場面もないわけではない。つまりは欲張りすぎで、全体的にもっさりしている。

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