2013年11月12日火曜日

イアン・バンクス『蜂工場』(集英社文庫)

 スコットランドの小さな島に父親と息子が住んでいる。息子は股間が犬に食いちぎられ、そのためかどうか、学校にも行かず、小動物を面白半分に殺す日々が続いている。

 そんなある日、精神病院に入院していた兄が脱走し、帰ってくると連絡があった。裏表紙のリードには「ニューホラーの旗手」とあるが、特に異常な現象が起きるわけではなく、叙述的ニューロ・ホラーといえばいえるという程度。

 表表紙には「結末は、誰にも話さないでください」とあるが、さすがに1984年の作品であり、同じような趣向の小説や映画を幾度となく経験しているので、衝撃力はない。解説ではクライヴ・バーガーなどと比較されているが、文章の表現力は数段優れていると思うので、別の作品も機会があれば読みたいところ。

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