2015年12月9日水曜日

ビリー・ワイルダー『お熱い夜をあなたに』

ビリー・ワイルダーの『お熱い夜をあなたに』(1972年)を見る。

ジャック・レモン演じるアメリカの大物実業家は父親が、イタリアのイスキア島(ヴェスヴィオス火山の近くらしい)で交通事故にあって死んだと聞いて、やってくる。

彼は父親がイギリス人婦人とそこで毎夏を過ごしていたという秘密を知る。

同じ事故で死んだそのイギリス婦人の娘もまた母親の死を聞いて駆けつけてくる。

彼女は二人が毎夏そこで逢い引きをしていたことも知っており、悪いことだとも思っていない。

息子の方は不道徳だと怒り、身に染みついた効率主義から、イタリア人の怠惰に憤り、いらいらしてばかりいるのだが、やがて、彼女の魅力に惹かれるようになり・・・

異文化コミュニケーションにまつわるコメディーで、効率第一で、ピューリタニズムに凝り固まったアメリカ人と、ロマンティックなものを無条件に受け入れてしまうイギリス人、怠け者で小ずるいところもあるが、基本的にはおおらかで、細かいことは気にしないイタリア人、と類型的なのはコメディーの常道である。

邦題が重すぎて損をしている。

原題のAvanti!はイタリア語で、ホテルでノックがあったときの、「お入り」くらいの意味だから、「お入り」ではさすがにちょっと題として不安定なので、「どうぞ、お入り」くらいでいいのではないかしら。

イギリス人の役は実際にイギリス人女優であるジュリエット・ミルズが演じていて、豊満で、ダイエットのためにカウンセラーに通っているという設定だが、ちょうどいい肉づきで、好み。

フィルモグラフィーを見たら、イタリアン・ホラー『デアボリカ』に主演していて、うわっ、『デアボリカ』にでてるじゃないか、と思ったが、見たことは確かなのだが、内容がまったく思い出せない。



0 件のコメント:

コメントを投稿