2015年12月14日月曜日

貫禄とスペインの夜

ペドロ・アルモドバルの『抱擁のかけら』(2009年)を見る。

アルモドバルを見るのは2本目だが、あまり物語の語り方がうまくないのではないかと思う。

話の基本は狂気の愛を加味してあるが、ごく典型的な三角関係の物語で、過去、つまり本筋の話の前に3~40分の前置きがあるが、特に必要性は感じられない。

多分に好みの問題でもあるが、運命の女がペネロペ・クルスというのもあまり説得力がなく、デートリッヒでもスタンウィックでも、クラウディア・カルディナ―レでも、京マチ子ほどでなくともいいが、もうちょっと貫禄が欲しい。

フェリーニにしろ、ダリオ・アルジェントにしろ、ソレンティーノにしろ、イタリアの夜は非常に好きなのだが、スペインの夜のシーンがあまり魅力的でないのも期待外れに終わった。

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