2014年7月17日木曜日

涅槃会までは梅ばかり見て――俳句

 『鬣』第43号に掲載された。

薬喰い弓矢八幡誓うまで

噂の娘銀紙細工の剣を呑み

芋の葉の露に見られるまるみかな

帝国は菫の色に衰亡す

溶ける月独身者の日だまりに

モノクロのメトロポリスの比翼塚

吊り橋は模造記憶のパノラマに

星間は焚書坑儒の香りがし

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