2014年6月14日土曜日

ブラッドリー『論理学』40

第一巻判断第二章判断の定言的仮言的形式から。


§14.しかし、これは先走りである。現在我々が明確にしたい結論とは、実在のあらわれるいまここは不連続で別個の瞬間に限定されるものではない、ということである。それは我々が直接に関係をもつ連続的内容の部分である。調べてみれば、いまここの向こうに溶け込む縁にも、最初に与えられたもののなかにも流れのとどまるところはない。ここのなかにはここと向こうがある。時間における変化の絶え間ない進行のなかで、視点を最小限にまで狭めることはできるが、静止を見いだすことはなかろう。あらわれとは常に消え去り往く過程であり、我々が現在と呼んでいるこの過程の持続には定まった長さなどない。

 もっと進めば、このような考察で我々が踏み迷うことはなかろう。さほど遠くない時期にこの問題には再び戻ることになるだろうが、いまは以前に述べた(§7)判断形式についてよりよい見地から再び議論をせねばならない。

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