2015年3月16日月曜日

日夏耿之介編集『奢灞都』(『東邦藝術増刊号』)の内容

大正十三年八月一日発行。
 『奢灞都』という名称に変わるまでは『東邦藝術』という名だった。まだ日夏耿之介編集とはうたわれていない。
1.龍膽寺旻「古瓶春景」
 詩。新感覚派の作家として登場し、サボテン研究家の龍膽寺雄とは無関係だとウィキペディアにでている。
2.J・V・L(最上淳之介)訳 ホセ・ナヴァロ「洛陽無頼児歌」、エドガア・アラン・ポオ「讃歌」
 いずれも詩。
3.L'abbe St.Adrian「七十三枚の骨牌」
 訳者の名はでていない。詩。
4.OBTER DICTA
S・O・S「ジャン・ボダンの流れを汲む者」、道遊山人「稚仏供養」、茶煙亭主人「雑俎」、APACHEマロングラッセを片手に」、榎ノ僧正紀元前物語」
 「ニューヨーカー」をさらにハイブロウにしたようなアフォリズム集。
5.木元秀生「芸術的思弁」
 芸術至上主義を旨とする評論。
6.正岡蓉「なまけものから生れる歌」
 正岡容のこと。短歌。一首引く。
 「淫らなる春の真昼の異人館 異人のごとくなまけぬるかな」
7.城左門「うつけかづらの紅さ」
 小説。じれいなという女性を待っている男の追想。
8.岩佐東一郎「御伽草紙」
 三編のショートショート集。
9.木元秀生「奥さんと子犬」
 題名からしてちょっとチェーホフ的な短編。
10.堀川融「ぢおにそす」
11.編集後記
全72ページ。

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