2015年3月20日金曜日

ウィリアム・ピーター・ブラッティ『エクソシスト3』


『エクソシスト』の『ビギニング』と『ドミニオン』を続けてみたら、第一作のメリン神父の若いころのエピソードが描かれていて、メリン神父役はステラン・ステラスガルドで共通していて、しかも話がほとんど一緒なので妙なことだな、と思っていたら、案の定、ポール・シュレーダーが監督した『ドミニオン』があまりに地味すぎるので、監督がレニー・ハーリンになり撮り直したのが『ビギニング』だという、ハリウッドではよく聞く話で、しかもウィキによれば、ポール・シュレーダーも、予定されていたジョン・フランケンハイマーが死亡したために起用されたのだという(『ドミニオン』も『ビギニング』も撮影はヴィットリオ・ストラーロという豪華さ)。フランケンハイマーが撮っていたら、『フレンチ・コネクション』再びということだったのだろう。

確かに『ビギニング』の方がアクションは派手になっているが、いくらでもアクション映画があるなかで、『エクソシスト』のような日常とはちょっとずれたところに妙なアクションを練り込むという工夫がされていないために、さしたることはなかった。

そもそもジョン・ブアマンの第2作目にはじまったことだが、人類学的な要素を取り入れ、悪魔の起源をアフリカに求めるのが差別的とまではいわないが、陳腐である。もちろん『幼年期の終り』くらいまでいけばセンス・オブ・ワンダーがあるわけだが。

『エクソシスト3』は第一作で刑事で登場したジョージ・C・スコットが主人公で、第一作からは十五年がたっている。ワシントンのリーガンが住んでいた家の周辺で、猟奇的な連続殺人が起きる。捜査を進めているうちに、ある病院にたどり着き、その隔離病棟に十五年前に窓から飛びだして死んだのを自分の目で見たダミアン神父が隔離されているのを知ることになる。

『エクソシスト』は屋内、屋外ともに階段が魅力的な映画だったが、この映画では家の脇の屋外の階段が冒頭から何度もでてくるのが嬉しいところ。それに、前に前にと前進していくカメラが印象的。

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