大正十四年四月号。180ページ。
1.J・V・L・「曇れる古鏡の街」
詩。
2.矢野目源一「御公現祭式」
中世紀フランスの宗教劇。日本における神楽舞のようなものだといっている。
3.岩佐東一郎「夢を売る寺院」
前号の続き。一首の幻想譚。
4.フランシス・ジャム「ルウルド霊験由来」
堀口大学訳。途中まで。
5.山宮允「ブレイクとその時代」
題名通りの評論。
6.茶煙亭「紫煙閑話」
1ページの煙草に関する雑学。自分がパイプを吸うだけに関心を引くところも多い。
「夢を見る為に眠る必要はない。眠る為に夢を見るべきである。その手段として有効なのは阿片でもない、ハシッシュでもない、唯煙草あるのみ。」
「忠実な犬はその主人を忘れない。真の友人は一人である。まことの喫煙家は一つのパイプしか持たず、しかも日に三度以上はつめかへぬ。」
最後の箴言などは、日に三度は詰め替えないが、安物のパイプをとっかえひっかえ使っている自分には耳が痛い。
7.木本秀生「曼珠沙華」
副題「夢の喫煙者」曼珠沙華に女の頸を見る幻想。
8.ホフマン「黄金宝壺」
石川道雄訳。前号からの続き。
9.龍膽寺旻「冬眠賦」
詩。
10.日夏耿之介「随筆緊箍咒」
亡き父親のこと。
11.稲田稔「例月演劇管見」
武者小路実篤の「父と娘」を同士座が上演したのを評す。絶賛でも酷評でもなく、見るべきところもあったという程度。
12.吉例編輯後記
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