§31.実在は現前を超越し、我々を所与を越えた場所に連れ出そうとする。他方、我々は現前以外の場所では実在に接し、現実に触れることはないように思われる。知覚された実在を指し示すことができないとするなら、内容はどのように実在と関係をもつのだろうか。内容は
間接的に実在を指し示すのだと答えなければならない。それは与えられたものそのものに向けられるのではない。現前しているものとの関係を打ち立てることによって、その所与にあらわれている実在に向けられるのである。それは現前に見つけだすことはできないが、実在を性質づけているために真であり、直接的な知覚との関係を確立しているために唯一無比である。感覚される空間を越えた空間の、現在だけでなく過去と未来を含む時間の観念世界は直接的なこれの性質に結びつくことによって現実の世界に結びついている。一言で言えば、内容の連続性は要素の同一性をあらわしていると捉えられる。
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