2014年5月6日火曜日

眼路の先には真っ赤な鳥居――俳句


 『鬣』第36号に掲載された。

亀立つや蓍と蓍のあいだから

ふたまたの大根に滲む遡及性

けうとさが乱反射する春の水

放歌高吟 弱い地霊の夜の路

コンクリの白い過程の裂け目かな

ゆうがおと人妻のある硝子棚

道行きは千年もぐらの穴なりに

時のしたたり 石産む石の落ちる音

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