2018年8月16日木曜日

ヘチマの皮

・へちまの皮とも思わない(なんの役にも立たない、少しも意に介さない)は、紀の国(いまの和歌山県)の山のなかに、「大へち子へち」といって、峰が高く険しいつづら折りの伝い道があって、人馬の往来もたやすくない要害だった。このあたりで使われる馬は糠や藁どころか、大豆ほどの役にも立たず、実に骨ばかりだった。そこでこの辺の馬は皮を剥いでも、傷がつくばかりでなんの役にも立たないから、「へち馬の皮とも思わぬ」といった。

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