2014年12月20日土曜日

ブラッドリー『論理学』103

 §79.そろそろいままでの苦難に満ちた探求で得た結果をまとめるときである。もし我々がある主張の究極的な真理を考えるなら、我々の見る限り、ありのままの定言判断は完全に消え去ってしまう。個的と普遍的、定言的と仮言的の区別は破られてしまう。すべての判断は定言的であり、実在を肯定し、そこにある性質の存在を主張する。また、すべては仮言的であり、そのうちのどれ一つとして実在の存在にその要素を帰することができない。すべては個的であり、総合の基盤を形づくるこの性質を支える実在そのものが個体であるからである。またすべては普遍的であり、主張される総合は個的なあらわれを提供しつつそれを越えている。それらはすべて抽象的であり、文脈を無視し、複雑な感覚の状況を取り除き、性質を実体化している。だがまた、すべては具体的であり、そこには、現前における感覚的財にあらわれる個的な実在に関する真以外にはなにもないからである。

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