2018年5月3日木曜日

13.異人館――日夏耿之介編集『東邦藝術』創刊号、十二月号


大正13年8月1日発行。
『奢㶚都』の前身。二号出てすぐに『奢灞都』に変わった。「世紀末文芸の牙城」(復刻した牧神社の言葉)というよりは、『ニューヨーカー』のようなしゃれた雑誌に思える。
埋め草的な、S・O・S「じやん・ぼだんの流れを汲む者」から。

 日本人の品質が低下し出したのは、儒教と仏教の渡来以来である。

 同じく茶煙亭主人「漸俎」

 何と小利口と小馬鹿の多いことだ。大利口はとに角、大馬鹿のをらぬ国は、文明のない証拠である。

 正岡蓉「なまけものから生れる歌」は短歌五首。一首あげると

淫らなる春の真昼の異人館 異人のごとくなまけぬるかな

この号で一番好き。

大正13年12月5日発行。
埋め草的、茶煙亭主人「夢語」から。

 蜥蜴の美しさは蟻を食はうとする時の姿勢にある。曲線が惨忍と注意とを表象する美しさだ。

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