・宗祇と宗長が連れ立ち、夕暮れの浜に出て散歩していると、漁師の網が藻を引き上げた。なんというものだと尋ねてみると、「め」とも「も」ともいうらしい。それはよい句になると宗祇は
めともいふなりもともいふなり
とつくり、宗長に付けてみよといえば
引連れて野飼(のがひ)のうしの帰るさに
牝牛は「うんめ」となき、雄牛は「うんも」となくからである。宗祇は感心してもう一句命じると、
よむいろは教ふる指の下を見よ
ゆの下はめ、ひの下はもである。(「いろは」で「ゆび」の下の字は「め」と「も」だから。)
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