マカロンなど最近知ったもので、とくにうまいと思ったこともないが、あるいはヨーロッパで食べれば格別の味わいがあるものかもしれない。
鷗外はイプセンの『ノラ』を訳したが、そこにはノラがマカロンを食べる箇所があって(鷗外は「マクロン」と書いている)、マクロンと書いたが、わかりにくいと思われたのか、飴玉にすればいいと教えられた。(「翻訳に就いて」大正3年)ちょっと口に入れるものだから似たようなものだと思ったのかどうか、「あつとばかりに驚かざることを得ない」のが鷗外。確かにマカロンと飴とはまったく違っている。意味合いも異なりそうだ。鷗外が「マクロン」と訳したときにもすでに、青木堂というところで輸入されていたらしい。
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