一月十七日
晴れ。
林氏の話によると、舘山寺が本州でも随一の景勝地だという。また、天龍川の東岸を小龍、西岸を大龍と呼んでいるが、それは間違いで、昔は二つの流れがあり、いま残っているのが大天龍だという。小天龍の方はもう別の名に変わってしまった。また、本州には天狗が多いという。浜松、天龍川、今浦で時々天狗を見かけることがあるという。
天龍川を渡る。建武のとき、新田中将が賊と戦い、敗れてここに到り、橋を作って渡ったところという。浜松で泊まる。
マリオ・バーヴァの『知りすぎた少女』(1963年)をみる。ホラーではなく、ダリオ・アルジェントの『サスペリア2』に直結するようなミステリー映画(ちなみに、『サスペリア2』は『サスペリア』以前に撮られた映画であり、内容的に特に関連はなく、ホラーでもない)。もう少し残虐になるとスラッシャー映画になる手前でとどまっているのが、そういえばいまとなってはあまり見ないタイプである。アメリカからローマにきた女が殺人を目撃する。しかし、痕跡はなくなっており誰からも信用されない。女はローマに着く飛行機のなかで、麻薬を密輸した男に、麻薬がはいっていると思われるたばこを勧められている。従って映画の全体が幻覚である可能性も残している。
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