1972年の東宝映画。初期の『必殺』シリーズや、『木枯らし紋次郎』『子連れ狼』などのハードボイルドと、東映のお色気時代劇の中間にあるような作品。勝新太郎演じる同心は、守れもしないことに従えるか、と毎年行われる同心規則への血判による同意をも無視するような硬骨漢である。
ところが、彼が事件を解決する方法といっては、鍵となる女性が出てくるや、犯して虜にして、情報を得ることに尽きる。もっともそのための修行も並大抵のものではなく、金冷方で男根を冷やすことからはじまり、木の棒でばんばん殴りつけ、米俵に突き刺しして鍛えるのである。
そんな逸物で浅丘夢路や渥美マリから情報を得ると、見事に事件を解決してしまうのだ。敵役は田村高広だが、同じく三隅研次の『座頭市』の天知茂とのように、清い交流があるわけではなく、はじめて会ったときが対決のときで、ひどくあっさりしている。結末部分にすらなっておらず、決着がついたあとで、特に関係のないもうひとつのエピソードが挟まって映画が終わる。
ピストン運動で、ペニスから見たとおぼしき膣の内部の映像を見せるなど、三隅研次はずいぶんと妙なことをしている。
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